『一枚のハガキ』 8/13(土)公開

(C)2011「一枚のハガキ」近代映画協会/渡辺商事/プランダス
怒りよりも、すがすがしさで紡ぐ「反」戦
今年4月22日、99歳の誕生日を迎えた新藤兼人。ポルトガルには102歳のマノエル・ド・オリヴェイラがいるが、日本国内では間違いなく現役最長寿の映画監督である。その新藤が「最後の作品」と宣言して取り組んだのが、この『一枚のハガキ』だ。
自身の戦争体験に基づく。戦友に見せられた、彼の妻から届いた一枚のハガキ。終戦後、主人公は戦死した戦友のかわりに、その妻の許に「返事」を送り届けに行く。
反戦映画であるのは間違いない。しかしながら、戦争に行った者だけが語り得る切実さを、呆気なく映画そのものがはらむ大らかな力が抱きしめ、そして解き放つ。怒りはある。だが、すべての原動力であるはずの己の憤怒にさえしがみつかず、生き残った者たちの粘り腰の矜持や、不可思議な交流の行方こそを、当たり前のすがすがしさで見届ける。そんなナチュラル・ボーンな潔さ。
最初で最後の出逢いと邂逅、「映画」の始原へ
映画は終盤、豊川悦司と大竹しのぶのふたり芝居となる。限りなく室内劇の様相。けれども、力強いショットの連なりが、ありきたりの舞台調をいっさいがっさい斥ける。主人公の顔が、戦友の妻の顔が、最初で最後の出逢いと邂逅として、切り返される。逃げも隠れもしない、ただただダイレクトな、「現象」と呼ぶより他はないその「すっぴん」のありように、打ちのめされる。そうだ、映画とはこうしたものだったのだ、と無垢な赤子のように、こころに真実が沁みこんでいく。
いたるところで、埋め込まれていたユーモアの爆弾が炸裂する。軽やかさのなかにある澄みきった、確かな濃度が観る者のまなざしに接近し、撫でる。「最後の作品」にありがちな「力こぶ」は見当たらない。ほんとうに伝えたいことがあるからこそ、新藤兼人はわたしたちを優しく目覚めさせる。
■原作・脚本・監督:新藤兼人
■出演:豊川悦司/大竹しのぶ/六平直政/大杉漣/柄本明/倍賞美津子/津川雅彦
■配給:東京テアトル
■上映館:テアトル新宿 他
■公開日:8/13(土)
※8/6(土)テアトル新宿、広島・八丁座にて先行ロードショー、8/13(土)より全国ロードショー
■上映時間:114分
■公式サイト:http://www.ichimai-no-hagaki.jp/
『監督失格』 9/3(土)公開

(C)「監督失格」製作委員会
愛する存在を失ったすべてのひとに捧ぐ
伝説の女優、林由美香の生と死を、かつて恋人だった平野勝之監督が自身の総決算として、果敢に追いかけたドキュメンタリー大作。あらんかぎりの渾身だけが辿り着く迫真のラスト。愛する者を失った誰の胸にも必ず届く、かけがえのない一瞬がここにある。古今東西、誰にも似ない女優でありつづけた林由美香を発見するまたとないチャンス。どうかお見逃しなく。プロデュースは庵野秀明。■監督:平野勝之
■出演:林由美香/小栗冨美代(由美香ママ)/カンパニー松尾
■プロデュース:庵野秀明
■配給:東宝映像事業部
■上映館:TOHOシネマズ六本木ヒルズ 他
■公開日:10/1(土)
※9/3(土)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ にて先行ロードショー、10/1(土)より全国ロードショー
■上映時間:111分
■公式サイト:http://www.k-shikkaku.com/
『ハウスメイド』 8/27(土)公開

(C)2010 MIROVISION Inc. All Rights Reserved
正体を見極めるまで、女たちの戦争はつづく
もう若くはないハウスメイドが、資産家の主に見初められ、家庭内愛人となる。やがて発覚する、彼女の妊娠。妊婦である主の妻は憎悪を燃やし、その母親はメイドを亡き者にしようとする。大金持ちの家の内部で繰り広げられる、人間対人間の飽くことのない対峙の行方。格差社会への警告などに陥らない、大胆かつ確信犯的な、魂をえぐるサスペンス。あらためて韓流のパワーに圧倒される。■監督・脚本:イム・サンス
■出演:チョン・ドヨン/イ・ジョンジェ/ユン・ヨジョン/ソウ
■配給:ギャガ
■上映館:TOHOシネマズシャンテ 他
■公開日:8/27(土)
■上映時間:107分
■公式サイト:http://housemaid.gaga.ne.jp/
『ナッシュビル』 8/6(土)公開

(C)1975 Paramount Pictures corporation
■監督:ロバート・アルトマン
■脚本:ジョーン・テユークスベリー
■出演: キース・キャラダイン/カレン・ブラック/ジェラルデイン・チャップリン 他
■配給:日本スカイウェイ/アダンソニア
■上映館:新宿武蔵野館 他
■公開日:8/6(土)
■上映時間:160分
■公式サイト:http://nashville.sky-way.jp/
■あらすじ: 大統領候補の選挙キャンペーンのために、アメリカで最も保守的な町ナッシュビルに集まったミュージシャンたち。カントリーのメッカであるこの地で、数日間のフェスティバルを通して24人もの人間ドラマを描き出す。政治に対する意識の問題や人種差別など、今なお続く社会問題が浮かび上がる、名匠ロバート・アルトマンの群像劇ドラマ!
『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』 8/20(土)公開

(C)2010 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
■出演:ウィル・フェレル/マーク・ウォルバーグ/エヴァ・メンデス/マイケル・キートン/サミュエル・L・ジャクソン/ドウェイン・ジョンソン
■配給:日活
■上映館:ヒューマントラストシネマ渋谷/横浜ブルク13 他
■公開日:8/20(土)
■上映時間:110分
■公式サイト:http://www.otherguys.jp/
■あらすじ:ニューヨーク市警のアレンとテリーはその性格が災いし、いつもヒーロー刑事の活躍を恨めしくながめるだけの“アザー・ガイズ=その他大勢”。上司からは見放され、手渡された拳銃は木のオモチャ。移動は日本製のエコカー。長いものにはすぐ巻かれる。そんな2人が無謀にも、市民を食い物にしてきた、金融業界に巣食う国家レベルの“巨悪”に立ち向かって行く!! 果たして2人は真のヒーローになれるのか?!
『天国の日々』 8/27(土)公開

(C)1978 Paramount Pictures corporation
■出演者:リチャード・ギア/ブルック・アダムス/サム・シェパード/リンダ・マンズ 他
■配給:日本スカイウェイ/アダンソニア
■上映館:新宿武蔵野館 他
■公開日:8/27(土)
■上映時間:94分
■公式サイト:http://nashville.sky-way.jp/
■あらすじ:時代は第1次世界大戦、シカゴの製鉄工場で働くビリーは仕事を辞め、妹のリンダと恋人のアビーと共にシカゴを飛び出す。テキサスの農場で麦刈り人として働くことになったビリーだが、若き農場主チャックがアビーに目を付けたと知り・・・。時代に翻弄される若者たちの青春、希望、挫折を、圧倒的な自然の美しさと対比して描き出す、T・マリック監督の最高傑作!
